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まえがき

まえがきにかえて

 「スポーツライターの24時間」は1997年、ダイヤモンド社の土江英明さんが作ってくださいました。

スポーツライターの24時間



爆発的な大大大ベストセラーになったとはいえなかったにもかかわらず、随分といろいろな方からメールや手紙をいただき、反響は大きかったのです。
 野球場や記者席で何度となく、
「梅田さんのあの本を読んで、すごく影響うけました」
 と声をかけていただき、とてもうれしかったので思いで深い作品です。スポーツ報道のどたばた裏話やスター選手たちの素顔や笑えるエピソードをやや大胆に書きつづりましたから、ライター志望者でなくとも楽しめる内容だったと自負しております。

 生意気を承知で言わせていただくと、そこらへんのライター養成塾よりも、具体的な就職方法とノウハウがあの1冊に詰め込まれていたはずです。自分の気持ちに嘘はつけません。今だに私は塾出身者で、ばりばり現場の第一線で仕事している人間に出会ったことがないのです。ああいう閉鎖的なお教室に通う時間と予算があったら、外にでよう、恋をしよう!1冊でも多く本を読み、1試合でも多くスタジアムに足を運び、あらゆるコネと行動力を尽くし、会うべく人と会うべきと知りあい、取材対象にフォール・イン・ラブしてしまうべきなのに。
 
 とはいえ、120パーセント全開の自信で今現在、あの本をライター予備軍に推薦することができるかと問われますと、それはまた話が違ってきます。なんといっても十年以上の年月が流れ、世の中の事情がずいぶんと変わってきました。9.11のテロ以降は何かというと身分証明が求められ、報道ビザも発行されにくくなってきています。
 1990年代はスポーツ雑誌やムック、後半はウェブマガジンが次々と新しく創刊されて、ライターは引っぱりだこでした。
 「フリーになりました!」
 「そう、頑張ろうね!なんとかなるから」
 なんて気軽に応えることもできたのですが。
 ここ数年はそう簡単にはいかなくなってきています。
 「うーん、出版業界は不況のどん底だけど、大丈夫?会社をやめるなら、もっと考えたほうがいいよ。結婚している?家族は?」
 なんて、ついつい心配の方が先にたってしまいます。
 
 とはいうものの、一度や二度、誰かに反対されたからといって、「ああ、それならやめておきます」なんて簡単に引きさがるようでは・・・。その程度の心がまえだったら、景気とは関係ありません。スポーツライターなんてやめてほうがいいのです。他にもっと割りのいい仕事が世の中にはころがっているはず。だから、あえて私は最初は言うのです。「やめておけば?楽じゃないよ」
 
 その反面、本音をぶちまけてしまうと、昔も今も、スポーツライターぐらい美味しい仕事は他にはなかなかないと確信しています。
 だからこそ、マスコミはバカだのダメだのぼろくそに叩かれているにもかかわらず、テレビ局や新聞社や出版社の就職希望者は後を絶たないのだと思います。

 中流のサラリーマン家庭で育ち、中堅どころの短大を卒業しただけの私が、履歴書に書くことができたスキルは普通自動車免許だけでした。留学どころか、海外旅行にも行ったことはありません。
 美しい容姿に生まれていたら、それは女にとって最強の資格みたいなものです。が、ひいき目にみても、それも平均並み。
 なのに社会人になって1年もたたないうちに、スポーツライターになったことで、ウソみたいに生活も収入も周囲の人間も、180度ドラマチックに一変してしまったのです。
 
 もともと私の「野望」は、お金もちになりたいとか、有名になりたいとか、そんなものではなく、もっとささやかなものでした。好きなところに行って、好きなものを買い、好きな場所に住んで、好きな人たちと会って話をして、好きなことを仕事にする、そのことだけのこと。でも、そのうちの1つ2つならともかく、全部をひととおり満たすのは、なかなか遠い道のりだと思うのです。自分でもまさか社会人になって1年たらずで、その希望がほぼかなってしまうなんて予想もしていませんでした。

 私のごく平均的なタイムスケジュールは、野球場に行って関係者入口に車を駐車して、VIPたちと同じフロアにある記者席からゲームをみて、試合の前後にはアスリートや監督たちと話しして、原稿を書きます。これはスポーツライターだったら誰でもやっていることです。
 子供が小さかった頃、
「どうしてママは野球の試合を見に行くだけで、それが仕事になるの?」
 もちろん仕事です。メイク・マネーしているのですから!20年以上もずっと続けたきたことなのです。

 血を吐くような練習の積み重ねときわだつ天賦の才能が備わっていなければ、アスリートや芸術家として成功することは絶対できません。
 けれども、スポーツライターはそれがなかったとしても、運がよければ、そこそこの能動的な努力と後天的な能力でやっていけます。

 さらにもう1つの特典。
 詐欺とか裏切りとか交通事故とか、子どもの進学とか難病とか、人生でさまざまなピンチに立たされたとき、スポーツライターとしての経験を人脈がどれだけ役だち、助けられたことか。
 考えてみると22歳のときこの世界に入ったため、昼は試合、夜はサスペンス劇場そのまま。お忍びのデートや離婚騒動なんて、日常茶飯事です。浮気、借金、事故、暴力、組長極道、美人局、ギャンブル、マリファナ、覚せい剤、武器の不法所持、脱税、犯罪、刑務所・・・。普通ならテレビの中のできごとで片付いてしまうのに、ずいぶんと裏を見聞きしてしまい、疑似体験して耳年増になってしまいました。
 だからこそ、スポーツライターとしてのキャリアは必ず実生活でも助言をもたらしてくれるはず・・・と信じたいのです。
 演歌歌手じゃありませんけど、これがデビュー25周年企画です。
「スポーツライターの24時間」の2010年度版を新たに最初の1ページから執筆し、ブロマガの連載をまとめるという形で1冊の本にしあげることにしました。よろしくお願いします。


                                       自宅にて。梅田香子
 
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